2. 介護ベッド

地域包括支援センターの手配で、退院の前日にレンタル介護ベッドが搬入された。退院日当日、姉が付き添い、母は福祉タクシーで簡易ベッドに寝た状態で帰ってきた。母が寝室にしていた部屋でベッド生活をスタート。ベッドは電動高機能。背中、頭、足、全体の角度、高さ設定のほかに、床ずれしない機能や、ベッドの硬さを安定させる機能なども付いている。その分電源は多く、こちらの意図しない時にも電気駆動の音がする。

ベッドは居間とは少し離れており、簡易テーブルに呼び鈴を置いてみたが、使うことはできない。ベッドから私たちを呼ぶには声を出すしかない。苦しそうな声なのが可哀想だが、声を出す動機にはなっていたと思う。この頃、会話をすることは難しくとも、ほぼ意思疎通はできていた。

約9ヶ月後、ベッドを引き取ってもらう際に、このベッドは超分割される組み立て式だったことが判明した。