21. 死亡診断

丸1日起きていた母を置いて仕事に。夕方、ハアハア苦しい息をしていると連絡があり、当日は諦めて、翌朝母のところへ。姉によると夜中起きていたらしい。丸2日だ。ハアハア息をしているところで、少し口の中をきれいにしたが、もう口が開かない。息が急に落ち着いて弱くなった。潤いの落ちた目に点眼し、外が見えるようにカーテンを開け、外の空気が入るように開けた。弱々しい母の手をとっていることしかできない。呼吸が止まる。「電話して」と姉に伝えると、母が後一息。まだ、大丈夫か。でも、それが母の最後の息だった。

呼吸の止まる少し前、母は大きく目を開いてこちらを見たと思う。母にはわかったと信じたい。しばらくの間手をとっていたが、呼吸が止まった以外に変化は感じられない。心拍は確認しなかった。約30分後、看護師がきて、「お亡くなりになっています」と言った。ここで繋いだ手は離さざるを得なくなった。医師は後から来るとのことで、その前に身体をきれいにし、着替えを行った。医師は死亡診断をし、死因は「老衰」とした。死亡時刻は看護師の診た、10:30 推定。

母が息を止めたのは、私が実家について30分も経っていなかった。お母さん待っていてくれてありがとう。姉さん、一緒に待っていてくれて感謝。母は、私を待っていることで、姉を守ったのだと思っている。

万感の感謝を込めて、アデュー。