18. 介護サービス

介護サービスには多くの医療人が関わっているが、基本的には医療はあまり提供しない。医師、看護師は体調を見て、血圧、熱を計り、聴診をしてくれる。必要な時には、パルスオキシメーターで酸素飽和度を測定し、排泄介助もしてくれた。基本的体調管理という意味ではもちろんサービスを受けている。負担の少ない範囲でのリハビリも実施してくれていた。何かあると看護師に相談できるのは有難い。ヘルパーを含めて、介護サービスには元気で、テキパキした人が多く、気持ちよい。しかし、最初の契約時から伝えられたとおり、栄養点滴等はしない。去痰も装置貸与と説明を受けたが、サービスとしては実施しない。食にはリハビリも含めて関わらない。何より、熱があると連絡したが、特にできることはないとのことで、保冷剤で冷やすことを教えてもらった。このあたりになると「在宅介護サービスとは何か?」を考えることになる。

調べれば、「介護とは意思を尊重しながら、生活をサポートし、自立支援をすること」とある。この説明には納得が行く。では、サポート、自立支援の範囲を規定しているのは、介護サービスの提供者とその契約にあるのだろうか。介護の先にはおそらく看取りなどが想定されることから、医療の関わりもわからなくはない。母に関しての私の希望を述べるならば、せっかく医療が関わるのであれば、もう少し治療よりのサービスであっても良かったのではないかと思う。

介護サービスを受ける状況は様々で典型的一般論はあまり役立たない可能性もある。特にコロナ禍で影響を受けた今回は、通常とは異なる対応が必要だった可能性も高い。しかし、必ずしも回復が不可能と決まった人ばかりが対象とは思えない状況に鑑みると、もう少し小回りのきく「医療より」「リハビリより」「支援より」等のサービスのバリエーションを望みたくなるのは、贅沢だろうか。

介護いただいた方々には大変感謝している。