7. コミュニケーション

母はよく日記を書いた。家計簿を書いた。入院時に、話が聞き取れないことが増えた。書いてもらおうと紙とエンピツを差し出すと、書いてくれるが、ラインがずれたり重なったりして読めないところが多い。読めるところはわかるので、きっと読めないところもちゃんと書いてあるはず。頭脳は大丈夫そうだ。書く方が覚束ないか、何かが少しずれているか。病院とのコミュニケーションは極めて悪い。希望退院(というのか?)してきた時には、いろいろな力がさらに低下していた。話力、筆力しかり。書いてもらおうとするが、ほとんど書けない。母は世代的にも私たちが、カタカナで書くようなメモまで漢字で書いていたので、とても残念。買い物メモは、胡瓜(キュウリ)、南瓜(カボチャ)、葱(ネギ)、、、とか。でも、書こうとする気持ちと、持たせた鉛筆をキープする力が最初は残っていた。だんだんリハビリになり、渡そうとしても鉛筆を持たなくなった。徐々にいろいろなことができなくなっていくのを見ているのは辛い。