“食”介護エッセイ ― コロナ禍@実家で ―

母の呼吸が止まった。息を吐ききった。苦しい息の母を待たせてしまったかもしれない。前日、今日だけ「行ってきます」と実家から出勤した私を待っていてくれたかのようだった。姉と夜通し起きていたという。


I miss you. I really miss you.

 

2019. 10月

遡ること2年、母は軽い脳梗塞を起こし入院。病院で1週間ほどの治療を受けて退院。嚥下が悪くなり、行動が全体的緩慢になったのを除けば、後遺症は重くはなかった。

2020. 10月

ろれつが回らなくなり、病院へ。「てんかん」と診断され処置を受け、退院。トイレでの後始末が難しくなるなどの影響がでた。

2020. 10月

程なくしてまた脳梗塞。入院後1日くらいで歩いていたという。東京に住む私は病院のコロナ対応で思うように病院に行けない。姉が説明を聞くが、医者は説明不足と思えた。母は「家に帰りたい、家に帰りたい」を伝え切れずに継続入院。コロナ対応、面会制限の中、時間が流れていく。まだ説明不十分と思われる中で、転院の予定となる。転院先で、胃瘻を勧められるが、選択肢にない。面会できずに不安。

退院を要望するも、何事にも時間がかかりすぎ、焦りを感じる。病院も通常外対応を求められているとはいえ、母だけで決められるはずもないのに。希望した退院まで約1ヶ月。母が家に帰ってきた。しかし、居間やキッチンに戻ることはできずに介護が始まった。



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